解雇予告手当


 解雇予告手当とは

労働基準法第20条には、使用者は、労働者を解雇する場合には、原則として少なくとも30日前に解雇の予告をするか、30日分以上の平均賃金(これを解雇予告手当といいます)を支払わなければならないと規定されています。 (解雇予告手当の支払いは、解雇通告と同時にしなければなりません)

なお、解雇予告を行った日から解雇の日までの日数が30日未満の場合は次の表のようになります。なお、解雇予告手当の日数の起算日は解雇予告を行った日の翌日です。

解雇の予告を行った日

解雇予告手当の支給日数

解雇日の30日前

平均賃金の0日分

29日前

1日分

28日前

2日分

27日前

3日分

26日前

4日分

25日前

5日分

24日前

6日分

23日前

7日分

22日前

8日分

21日前

9日分

20日前

10日分

19日前

11日分

18日前

12日分

17日前

13日分

16日前

14日分

15日前

15日分

14日前

16日分

13日前

17日分

12日前

18日分

11日前

19日分

10日前

20日分

9日前

21日分

8日前

22日分

7日前

23日分

6日前

24日分

5日前

25日分

4日前

26日分

3日前

27日分

2日前

28日分

1日前

29日分

即時解雇(当日)

30日分

たとえば、3月31日をもって解雇をする場合に、3月12日に解雇予告をした場合、起算日は3月13日となります。したがって、解雇日までの日数は19日となり、解雇予告手当の額は平均賃金の11日分となります。 (平均賃金についてはこちら

即時解雇を告げられたにもかかわらず、解雇予告手当が支払われない場合は、まず、内容証明で請求しましょう。(内容証明は、行政書士の名前が入っているとより効果的です)

  ただし、次に該当する者は解雇予告制度は適用されません。(適用除外)
  1. 日々雇入れられる人。(1ヶ月を超えて引き続き使用されている者を除く)
  2. 2ヶ月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて引き続き使用
    される者を除く)
  3. 季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて
    引き続き使用される者を除く)
  4. 試の試用期間中の者(14日を超えて引き続き使用される者を除く)


注意しなければならないのは4の場合で、
通常企業の試用期間は1ヶ月から3ヶ月程度の所が多いと思いますが、たとえそのような試用期間中の場合であっても、14日を超えて雇用されていた者が解雇を通告された場合は解雇予告制度の適用を受けます。(たとえ会社が試用期間中のものは適用を受けないと言っても、実際は適用されます)

したがって、上記に該当しなければパートやアルバイトでも解雇予告手当を請求することが出来ます。

また、解雇予告を受けてから、予告期間が満了しないうちに業務上負傷したり、疾病にかかった場合は療養のため休業する期間及びその後30日間は解雇が制限されます。ただし、解雇予告が無効になるのではなく、一時停止のような形になり解雇制限期間が経過した後、再び残日数がカウントされます。

「労働基準法第20条の予告期間をおかず、又は予告手当の支払をしないで労働者に解雇の通知をした場合、その通知は即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する趣旨でない限り、通知後所定の30日の期間を経過するか、又は通知の後に同条所定の予告手当の支払をしたときは、そのいずれかのときから解雇の効力を生ずる」という最高裁の判例があります。

つまり、期限を定めずに解雇通告をされて、それに対して承諾も異議もとなえずその後30日間経過すると、その30日を経過した時点で解雇の効力が発生するということです。
 

解雇予告に関する通達

※法20条による解雇の予告に代わる30日分以上の平均賃金は解雇の申渡しと同時に支払うべきものである。(昭和23年3月17日、基発464)

※解雇の効力は予告手当が支払われるまでは発生しないから、予告手当の支払いについて使用者と労働者との間に債権債務の関係が発生することなく、単にその限度で予告義務を免除するに止まるものである。(昭和24年1月8日基収1483)

※法定の予告期間を設けず、又法定の予告に代える平均賃金を支払わないで行った即時解雇は無効であるが、無効な即時解雇の意思表示であっても使用者が解雇をする意思があり、かつその解雇が必ずしも即時解雇であることを要件としていないと認められる場合には、その即時解雇の通知は、法定の最短期間である30日経過後において解雇する旨の予告として効力を有する。
(昭和24年5月13日基収1483)

 

 使用者が解雇予告手当を支払う必要がない場合

天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が不可能な場合や、労働者の責に帰すべき理由がある場合で労働基準監督署長の認定を受けた場合は、30日前の予告や解雇予告手当の支払をすることなく即時解雇することができます。

*「天災事変」とは、地震や火災、洪水などの自然災害や戦争、内乱などをいいます。また、「その他やむを得ない事由」とは、天災事変に準ずる不可抗力的な事由を指します。

不景気のため金融難に陥ったり、資材不足などで仕事ができないという理由ではこれに当たりません。

*「労働者の責に帰すべき事由」とは、背任や横領、企業秘密の漏洩、重大な経歴詐称など非常に悪質で重大な服務違反をいいます。

 

 解雇予告手当が支払われない場合は

まず、直接会社に解雇予告手当を支払うよう請求しましょう。
              
会社が話し合いに応じてくれなければ、内容証明で請求します。
              
それでも、支払われない場合は、労働基準監督署に申告します。(このとき、内容証明の謄本や解雇通知書など証拠になりそうなものは添付する)
              
会社が労働基準監督署の勧告にも応じず、支払を拒否する場合は最後の手段は裁判ということになります。
請求額が60万円までは小額訴訟が可能ですから、解雇予告手当およびこれと同一額の付加金の支払を求めましょう。 (ただし、解雇予告手当と付加金の合計額が60万円までの場合に限ります)

 

※ なお、派遣社員の場合は、派遣先で契約を解除されただけでは解雇にはなりません。
  (派遣社員の使用者は派遣元です。)

 

個々のトラブルについての対応は状況により異なります。
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