配偶者の一方が不倫をしたとき、もう一方の配偶者は不倫の相手方に対し慰謝料を請求することができます。不倫相手への慰謝料請求はまず内容証明で請求しましょう。
夫婦の一方が配偶者以外の異性と不貞行為(いわゆる不倫:配偶者以外の異性と肉体関係を結ぶこと)をした場合。もう一方の配偶者は不貞行為の相手方に対して不法行為として慰謝料を請求することが出来ます。
同時に配偶者に対しては離婚の請求もすることができ、慰謝料を請求することが出来ます。
また、婚姻届を出していない内縁の夫婦間でも同様に扱われます。(内縁解消の慰謝料請求)
ただし、不倫の相手方が一方の配偶者を独身だと思って付き合っていた場合で結婚している事実を知らなかったことについて過失がなかった場合には相手方に対して慰謝料の請求はできません。
つまり、妻が夫の浮気に気付いたが、その時点で夫の浮気相手の女性が夫を独身だと信じていた場合は慰謝料の請求はできないということです。(相手の女性から見れば、普通に恋愛していたわけで、不倫をしているという認識はなかったことになり、そのような場合にまで慰謝料を請求するのは相手の女性に酷だからです。)
あなたの妻(夫)が不倫をしている相手が既婚者である場合、もし慰謝料請求をした場合は相手方も同様に慰謝料請求をしてくる場合があります。
通常の金銭債権ならばお互いの債権(請求権)を相殺して差額を支払うということが出来ますが、不倫の慰謝料の場合はこのような相殺が認められていません。したがって、お互いが実際に慰謝料を支払わなくてはなりません。
したがって、W不倫の場合に慰謝料請求をする場合はこちらも慰謝料を支払う覚悟が必要になります。
夫(妻)が不倫しているらしいからといって、簡単に慰謝料を請求することはできません。請求するには少なくとも以下の要件に当てはまることが必要です
不倫(不貞行為)は民法第709条の不法行為に当たります。この条文は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」というものです。
つまり、相手に配偶者がいることがわかっていながら(故意に)不貞行為をしたり、相手が独身だと思っていたが、通常の人なら相手が既婚者と分かるよう場合(過失)には、不法行為とな ります。
配偶者が異性との間で肉体関係があることです。
不倫関係が始まった時点で、すでに実質的な夫婦関係が破綻していた場合には慰謝料請求は認められません。
不法行為の損害賠償請求権の消滅時効は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知ったときから3年間、又は不法行為のときから20年とされています。したがって、配偶者が不倫をしているのを知りながら3年間放置していると以後慰謝料請求は出来ません。
不法行為の損害賠償請求権は、被害者が不法行為の事実を知ったときから3年間、又は不法行為のときから20年間を経過すると時効消滅します。したがって、妻が夫の不貞行為の事実を知った日から3年を経過すると損害賠償(慰謝料)請求権は時効消滅してしまうということです。
ただし、3年を経過しても相手が時効を援用(時効によって損害賠償請求権が消滅したことを主張すること)しなければ、請求することはできます。
不倫の慰謝料の額は特に算定基準はありません。
被害者である配偶者の一方が受けた精神的苦痛の程度、被害者の社会的地位、年齢、結婚年数、不倫の発覚によって夫婦関係がどのようになったか(別居、離婚など)によって変わります。
また、相手の社会的地位、年収などの諸条件からあまりにもかけ離れた金額を請求しても意味がありません。(たとえば、一般人が芸能人のように数千万円の慰謝料を請求するような場合)
ですから、慰謝料を請求するコツは「この金額ならば何とか支払ってもらえる」と思える金額を請求することです。一般的には100万円から300万円程度が多いようです。
不倫の慰謝料請求で一番困るのが証拠をどのように集めるかです。
一番強力な証拠は二人がラブホテルに出入りするところを撮影した写真です。ラブホテルというのは入る目的はほぼ想像出来ますが、一般のホテルの場合は、食事や話し合いにも使われるので証拠としては弱くなります。
ある程度不倫をしているのが間違いないと思ったら不倫相手に対して内容証明郵便で慰謝料の請求をします。
ここで注意することはあまり過大な金額を請求しないことです。相手の年齢、職業、その他の諸条件を勘案してこの程度なら支払えるであろうという金額にすることです。
はっきりした証拠もないのに過大な慰謝料を請求された相手は弁護士に相談し、反対に強迫や恐喝で訴えられかねません。ですから、あまり証拠が無い場合は過大な請求はしないほうが無難です。
内容証明は相手にとっても証拠として残りますから、侮辱したり強迫めいたことを書いてはいけません。
内容証明は出来れば専門の行政書士に依頼したほうが無難です。
相手が不倫を認めている場合はこの時点で慰謝料を支払ってくれる可能性は高いです。
示談が成立したら、後の紛争防止のため示談書を作成しておきましょう。
内容証明を送ったが返事がない、或いは金額で折り合わない場合などは簡易裁判所に調停を申し立てます。
調停は争いのある当事者間に第三者機関である裁判所が仲に入って双方の言い分を聞いたうえで解決をめざす制度です。調停の申し立ては、それほど難しくないので本人ですることができます。
無理に弁護士を依頼する必要はありません。
手続の詳しい方法は簡易裁判所に事前に相談すると良いでしょう。
調停で当事者双方が合意し、調停が成立すると調停調書が作成されます。
調停調書は裁判の判決と同じ効力があるので調停調書をもとに強制執行をすることも出来ます。
調停が不成立の場合は訴訟を提起することになります。
最終更新日 2009/06/15 Copyright(C)2002-2008 All rights reserved