不当解雇
不当解雇とは
不当解雇とは、法律や就業規則の規定を守らずに事業主の都合で勝手に労働者を解雇する場合をいいます。
たとえば、次のような事由による解雇が増えています。
*遅刻や欠勤が多い、協調性がないなど勤務態度が悪いことを理由とする解雇。
*仕事でミスをして会社に迷惑をかけたとして解雇される。
*やむをえない理由があるにもかかわらず転勤命令を拒否したために解雇される。
*解雇予告手当を支払わず、いきなり解雇すること。
*業務上負傷したり、疾病にかかった場合は療養のため休業する期間及びその後30日間の期間内に解雇すること。
*産前産後の女性が労働基準法第65条の規定により休業する期間及びその後30日間の期間内に解雇すること。
*結婚、妊娠及び出産を理由として解雇すること。
このような場合には安易に解雇通告を承諾せず、不当解雇でないかよく検討しましょう。
整理解雇とは
不況、或いは業績の悪化などで人件費を削減するために労働者を解雇することを整理解雇といいます。
判例では、整理解雇を行うための4つの要件を示しています。
1. 人員削減の必要性
2. 解雇を回避努力
3. 被解雇者選定の合理性
4. 解雇手続の妥当性
これら4つの要件を満たさない解雇は解雇権の濫用であり解雇は無効であるとされています。
しかし、特に中小零細企業では、事業主が労働基準法を全く知らない、或いは知っていても労働者の無知をいいことに法律の規定を無視する悪質な経営者も少なくありません。上記の判例で示されたような努力をせずいきなり解雇というケースが多いと思います。
なお、「辞めてくれないか」などと退職を勧奨されただけでは解雇の通告にはならず解雇とはいえません。
※平成16年1月1日から改正労働基準法が施行されました。
主な内容は次の3点です。
1. 有期労働契約に関する改正
2. 客観的・合理的理由のない解雇の無効
3. 裁量労働制に関する改正
ここでは、特に解雇について簡単に解説します。
(1)解雇について(第18条の2)
18条の2「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」という規定が追加されました。
これは、すでに最高裁の判例で確立した理論ですが、一般にはあまり知られていなかったので法文化されたものです。
(2)就業規則への「解雇の事由」の記載(第89条第3号)
就業規則の退職に関する事項として解雇の事由を記載しなければならなくなりました。
(3)労働契約締結時における「解雇の事由」の明示(第15条)
使用者は労働者との労働契約を締結する際に「解雇の事由」を労働者に明示しなければならなくなりました。
(4)解雇事由の明示(第22条第2項)
労働者は、解雇の予告をされた日から退職の日までの間でも解雇の理由について証明書を請求できることになりました。
不当解雇された場合はどうするか?
※会社を辞めたくない場合
会社に解雇の理由を聞き、解雇通告書の交付を求めます。そして、その解雇理由がやむをえないものか、就業規則に記載があるか、法律違反がないか等をチェックします。そのうえで、納得がいかなければ再度の説明を求めましょう。
そして、辞めたくない場合ははっきりと辞めませんと意思表示しそれでも会社が解雇通告を撤回しない場合は内容証明で辞職しないと言う通知書を会社に送り普通
どおりに出社してください。
もし、一方的に解雇予告手当などが振り込まれた場合は「退職する気はないから受け取れないとはっきり意思表示をし、証拠が残る形で送り返すか、近くの法務局で供託しておけば受け取ったことにはなりません。
何もしないで放置しておくと退職を了解したとみなされるおそれがあります。
ただ、いったん解雇勧告や退職勧奨などがあると法的には職場復帰が可能でも実際には一応争いが決着した時点で退職ということになるようです。したがって、上記の手続は会社が解雇勧告や退職勧奨をしてきた場合に少しでも有利に退職する方法であると言ってもいいと思います。
※会社を辞める場合
解雇理由に納得がいかない場合、解雇勧告を受け入れない旨の内容証明を送ったり、それでも効果がない場合は、後述の都道府県労働局に置かれている紛争調整委員会におけるあっせん制度を利用するのもよいでしょう。
解雇勧告に従って退職する場合は、必ず、解雇の扱いにしてもらって下さい。
解雇の通告を受けたときは、必ず解雇通告を書面にしてもらってください。そうすれば、もし解雇予告手当を支払ってくれなかったり、離職票の離職理由を自己都合退職とされた場合に対抗する証拠になります。
※労働基準法第22条により、労働者が退職する場合に退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む)について証明書を請求した場合においては、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならないことになっています。したがって、解雇されたことを証明する重要な書類ですから必ず請求してください。
解雇事由については、会社にいる間に就業規則を必ず調べてください(できればコピーかプリントアウトしてください)
就業規則に解雇事由が明記されています。それに該当しない解雇は不当解雇の可能性があります。
就業規則を見せようとしない使用者もいますが、使用者は就業規則を労働者がいつでも自由に閲覧できる状態にしておかなければなりません。したがって、それを拒むことは労働基準法違反となります。
※それでも会社が就業規則をみせてくれない場合は、社員証等の社員の身分を証明できるものを持参すれば会社の住所地を管轄する労働基準監督署で閲覧は可能ですから、該当する労働基準監督署に問い合わせてください。
会社によっては解雇予告手当を支払うのを回避するため、辞表を書くよう命令する場合があります。
しかし、もし退職願を提出すると自己都合退職の扱いになり、解雇予告手当をもらえないばかりか、すぐには雇用保険の失業等給付が受けられなくなります。(
解雇理由による支給制限により、基本手当の支給は3ヵ月後からになります)また、解雇の場合、特定受給資格者として基本手当(いわゆる失業手当)を受給できる期間が延長される場合もあります。
また、退職後に会社から離職票が送られてきた場合は、離職理由の個所を必ずチェックしてください。解雇や会社都合退職のはずなのに自己都合退職にされている場合もありますので要注意です。
その場合は、まず会社に抗議して訂正を求めましょう。
請求しても会社が訂正してくれない場合は、離職票−2という用紙に具体的事情記載欄という個所があり、事業主用の下に離職者用の記載欄がありますので、事業主の離職理由の記載に異議がある場合はその欄に本来の離職理由を記載し、その下の離職者本人の判断という欄の異議が(有り)という個所を○で囲んでください。
その上で、離職を証明できるような証拠(上記の解雇事由の証明書)と離職票をもって公共職業安定所に行き、会社の記載した離職理由は事実と異なることを説明する必要があります。そして、離職理由の判定は、離職者の申し立てにより、公共職業安定所が提出された証拠資料を基に各種の調査や事実確認を行ったうえでくだされます。
即時解雇にもかかわらず使用者が解雇予告手当を支払わない場合には、内容証明で請求しましょう。
また、解雇予告手当だけでなく、賃金未払いを伴うケースも少なくありません。この場合も同時に内容証明で請求します。(内容証明は、行政書士等の専門家の名前が入っているとより効果的です)
|
個々のトラブルについての対応は状況により異なります。
具体的な対応については直接ご相談ください。
相談・業務依頼等はこちらからお願いいたします。
|
HOME